ニッポンの技

人を、時代を、
伝統をつなぐ
架け橋に。

Vol.1 伊勢根付職人 梶浦明日香

ニッポンの技とは

日本人には、一つひとつ丁寧に仕事をする美意識があります。
スペシャリストとしてのこだわり、エキスパートとしての自負、
そして、自らのアイデンティティを吹き込むかのような強い意志があります。
そんな職人たちの技を、そこに語り継がれるストーリーを伝えたい。

サポーター専業ブランドとして、
医療事業を基準としたモノづくりを徹底的に追求してきたメディエイドだからこそ、
MADE IN JAPANの上質なクラフツマンシップに、
そこに携わるニッポンのスペシャリストたちに注目していきたいと考えています。

Vol.1伊勢根付職人 梶浦明日香

運命的な出会いから、はじまったストーリー。
「日本の伝統工芸の灯を消してはいけない」
その意志が、人を、時代をつなぐ架け橋に。

伊勢根付との出会い
~伝統工芸の世界へ

幼い頃から憧れていたアナウンサーという夢を叶えた梶浦明日香さんは、NHK津放送局・名古屋放送局時代に担当した『東海の技』というコーナーで様々な伝統工芸に携わる職人たちへの取材を重ねていきます。
「職人さんたちにお会いし、お話をお伺いする度に、日本の伝統工芸の価値に魅了されていきました。しかし、同時に、この日本の大切な文化を継承していくことの難しさにも気づかされたんです」
梶浦さんは、その後、伊勢根付の第一人者である中川忠峰氏と出会い、その運命に導かれるように弟子入り、アナウンサーという職を離れ、伊勢根付職人の道を歩み始めました。

伊勢根付とは
~黄楊の木に込めたストーリー

「およそ400年前。江戸時代の頃から、根付は巾着や印籠、財布などを着物の帯から吊るして持ち歩く留め具として利用されてきたと言われています。
特に伊勢根付は、伊勢神宮の裏手に位置する朝熊山の黄楊(つげ)の木を原材料としています。
世界で最も年輪が詰まっている木であり、地域的なありがたみもあることから、この伊勢根付にはいろいろな意味や思い、ストーリーが込められているんです」

『粋』な発想、触れる美術品
~伊勢根付の魅力

「たとえば、カエルであればお伊勢参りから『無事帰れますように』とか、ナスであれば『ことを為す』など。射的の選手から依頼を受けて、『あたり』をテーマにした作品を作ったこともあります。そんな言葉やストーリーの粋を楽しむのも、伊勢根付の魅力なんです。
また、手に持つことのできる美術品ともいわれる根付は、使えば使うほど、“なれ”と呼ばれる摩耗した色の変化を楽しむこともできます。ぜひ縁起物として、お守り代わりに常に携帯してもらえたら」

日本の四大伝統工芸
~海外でも評価を受けている伊勢根付

実は、『漆』『浮世絵』『刀』とともに、日本の四大伝統工芸として、海外から高い評価を受けている『根付』。
特に、アメリカやイギリスで行われる展示会では、最初に根付が出てくるほど。
「アメリカの2010年のブックオブザイヤーに選ばれたのは、なんと根付の本でした。また、使い込まれて、“なれ”で飴色に磨き込まれた根付は、サザビーズなどのオークションでは、4,000~6,000万円の高値で取引されたこともあるんです。時代を超えて長く愛され、また使い続けることに価値を見出す欧米の文化が、日本独自の伝統工芸を高く評価してくれているんです」

つながる想い
~伝統工芸を支える若者たちとともに

伝統工芸の普及・継承のために、元アナウンサーの私だからできることがあるのではないか。梶浦さんは、2つの団体を立ち上げた。
「職人さんは、俺の技はすごいとは言わず、作品を見て分かってほしい。と、語らない美学を大切にしています。また、日本の伝統工芸は、継承者問題に直面している地域も少なくありません。
そこで、より多くの方に作品の素晴らしさ、伝統工芸の奥深さを知っていただくとともに、若手職人にスポットライトを当てることも私の役目なのではないかと考えたんです。年齢を重ねた大ベテランの方だと距離があるところ、年齢が近い私なら、伝わりやすいはずだと。
そして、2012年に三重県内の若手職人グループ「常若(とこわか)」を結成、マレーシア、ベトナム、香港などでワークショップなども行いました。2017年には、東海三県の女性若手職人グループ「凜九(りんく)」を立ち上げました。
伊勢根付、有松鳴海絞、伊勢型紙、伊勢一刀彫、豊橋筆、漆芸、美濃手すき和紙、尾張七宝、伊賀くみひもの9人で構成されています」

若手職人にもやりがいと脚光を。運命に導かれたように、梶浦さんの“人を時代をつなぐ”挑戦は続きます。

メディエイドサポーター
~支えてくれる安心感

伊勢根付の仕事は、集中するとそれこそ2~3時間続けて作業することもあります。座り続けて同じ姿勢のこともあるので、特に腰に負担がかかります。師匠も、腰痛で苦しんでいるので、教えてあげたいです。
今回、手首のサポーターをつけて作業してみましたが、動きもスムースで、支えてくれる安心感もあるので、職人にとってもうれしいサポートになると思います。

日本の伝統工芸の未来のために

「職人には、死ぬまで一生成長という考え方があります。伊勢根付職人になってからは、常に題材や物語を探したり、新たな彫り方を実現するための道具として最適な彫刻刀を追い求め、自らの手で作り続ける自分がいます。
今は、若さ、新しいものに価値があるように思われています。しかし、海外からの評価が物語るように、日本の伝統工芸には、昔から育まれた文化、歴史の中で大事にしてきたものや考え方にも価値があると思うんです。そんな日本の宝を掘り起こし、見直していくことができたら。
現在は、これまでの伝統工芸界では絶対にやってこなかったような新たな企画を考えています。
ニッポンの伝統工芸でなければできないこと。そして、新しい可能性を探り、これからも活動していきたいと思います。」

メディエイド しっかりガード 手首 スタンダード
今回使用したサポーター
メディエイド しっかりガード 
手首 スタンダード
伸縮性の異なる素材を配置した二重構造により、適度なサポート力を実現。
親指にかけて、巻き付けて止めるだけなので圧迫力の調整も簡単です。
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Profile プロフィール

伊勢根付職人 梶浦 明日香

根付の粋な遊び心、細かな彫りの美しさだけでなく、一生現役・一生成長という職人の生き方に憧れを抱き、2010年、取材を通じて出会った中川忠峰氏に弟子入りし、根付職人となるまた次世代の若手職人の活動の幅を広げるべく、様々な伝統工芸を担う若手職人のグループ『凛九』『常若』を結成。元NHKキャスター。

2020年
『第25回 日本の美術 全国選抜作家展』【柴山哲治賞】受賞
2018年
「DISCOVER THE ONE JAPANESE ART 2018 in LONDON」 大賞受賞
2016年
『現代木彫根付公募展』 優秀賞