ニッポンの技

日本ならではの
美を、彩り、
紡ぐ。

Vol.2 染色家 小室真以人

ニッポンの技とは

日本人には、一つひとつ丁寧に仕事をする美意識があります。
スペシャリストとしてのこだわり、エキスパートとしての自負、
そして、自らのアイデンティティを吹き込むかのような強い意志があります。
そんな職人たちの技を、そこに語り継がれるストーリーを伝えたい。

サポーター専業ブランドとして、
医療事業を基準としたモノづくりを徹底的に追求してきたメディエイドだからこそ、
MADE IN JAPANの上質なクラフツマンシップに、
そこに携わるニッポンのスペシャリストたちに注目していきたいと考えています。

Vol.2染色家 小室真以人

草木染めが彩り、紡ぐストーリーを
もっと多くの人たちに、ずっと先の未来に向けて。
日本古来の伝統文化をつなぐチャレンジは続く。

草木染め~日本の四季と自然と伝統に触れる喜び。

「草木染めは、その名のとおり草や木などの植物はもちろん土や虫など自然界にある天然の色素を使って染める技術のことを言います。
今から150年ほど前の明治時代に海外から入ってきた化学染料が使われるようになるまで、日本ではみんな草木染めをしていたんです。
平安時代の十二単に代表されるように、日本には着物という文化があり、四季の移り変わりもある。自然由来の草木染めで色を楽しむことが、多くの人にとって贅沢であり、楽しみでもありました。」
と染色家の小室真以人さんは語ります。

自然に親しんだ少年時代~その経験が生きている。

小室さんは、東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、染匠であった父に弟子入り、現在はご自身のブランドも立ち上げ、モノづくりの街・蔵前を拠点に活動しています。
「僕が小学3年生のとき、東京・品川から福岡県朝倉市の秋月という城下町に引っ越しました。当時は、もう山だらけ、田んぼだらけの印象しかありませんでした。父は、古いあばら家を借りて、そこに住みながら一年かけて草木染めの工房を建てて・・・。僕はといえば、秘密基地をつくったり、夏はカブトムシをとったりと、とにかく自然の中で過ごしていました。その中で、父に教えてもらいながら染めの植物を採ったりして。秋月の大自然は、自然とともに暮らす意味や楽しさを教えてくれました。」

四季の色を纏う
~そこにあるストーリーを紐解く。

古来より、日本人は四季とともに移ろう自然に美を見出し、そこにある色を纏う喜びを感じてきました。日本には、世界に誇る数多くの色があり、そこには一つひとつのストーリーがあります。
「日本の色には植物の名前がつく色名がたくさんあります。たとえば、茜色はその名の通り、茜で染めるから。この茜は根が赤いことから“あかね”という名前がつきました。日本で古くから使われた赤系の染料で、日の丸の赤はこの茜色で染められました。ほかには日本三大色素とも呼ばれる、藍染めで藍、紅花染めで紅(くれない)、紫根染めで紫などが有名です。ムラサキという白い花を咲かせる多年草を天日干しした根から染める紫根染めは、皆さんが歴史で学んだ冠位十二階でも紫根で染めた濃紫や淡紫を最高位の色に定めるなど、貴重な染料として重宝されてきました。天皇、公家にしか許されない絶対禁色でもあり、江戸時代には京紫、江戸紫など庶民には手の届かない高価で憧れの色でもありました。」

季節や文化と根づく色
~草木染めの楽しみ方。

「一方、藍は庶民の色。江戸時代は皆が藍染めを着ていました。藍は染め直しもしやすいし、抗菌作用もあるので臭くなりにくい。草木染めに使われる植物には、漢方薬として重宝されていたものも多いので、文化的背景だけでなく、薬学的なストーリーもあるんです。また、落語の『紺屋高尾』に登場する甕覗(かめのぞき)という色は、透け感のある淡いブルー。神田の染物職人の久蔵と夫婦になり、家業の藍染に精を出した高尾がさっとつけるスピーディーな草木染めのエピソードも有名です。
さらに当時は、そんな藍染にもうひとつ違う色を合わせるのが、粋だったんです。春夏秋冬、その季節にない色を足してみる。たとえば白い世界に覆われた冬に、桜染めのピンクを差し色として使ってみるのがお洒落だったり、歌舞伎の市川団十郎が着ていた衣装の茶を身に着けるのが粋だったり。季節と色、文化と色が生活に根づいている。それが草木染の楽しみ方だったんです。」

糸でつながるストーリー~職人さんたちとのものづくり

「時は移り、明治時代以降、海外から次々と様々なモノやコトが流入し、島国の文化だった日本の生活も大きな変化を遂げ、ファッションも着物中心ではなくなりました。これまでの日本の繊維文化は、草木染めで糸や生地を染めて着物に仕立ててきました。
ファッションが多様化した現代で、草木染めをもっと私たちの生活に根づき楽しむことができないか。そんなとき、草木染めを立体で考えてみたんです。反物といった平面だけではなく、ニットとしてもっとファッションに活かそうと。そこで銀行から借金をして、ホールガーメント(立体的に編まれる無縫製のニット)の機械を購入し、研究に明け暮れました。こうして生まれたのが、私のブランド「MAITO/真糸」です。
糸偏の仕事は、本当に分業制。染める人、紡ぐ人、織る人などたくさんの職人たちが携わり、一緒にものづくりをしています。」

メディエイドサポーター
~支えと動きやすさを実感。

「草木染めの工程では、重いものを持ち上げることも多く、たとえば、糸や生地などを染めて引き上げる作業を何度も繰り返すときには、身体にかなり負担がかかります。実際、私自身、腰を悪くしてしまったこともあり、ベッドや椅子などもこだわって自分にとってより良いものを探しました。また、病院の先生にアドバイスをいただきながら、サポーター選びをしています。サポーターは、作業中も日常も、私に、安心を与えてくれる存在です。
メディエイドのサポーターは補強ベルトがいいですね。細かい工夫にも驚きました。高さが低いのでずれにくいし、ちゃんとサポートもしてくれて、しかも動きやすい。仕事中に使いやすいなと思いました。」

日本の伝統工芸の未来のために

「僕は、温故知新という言葉が好きなんです。伝統工芸だからと言って同じことをずっとやっていてもしょうがない。江戸時代の草木染めも、当時は最先端の技術とファッションだったはず。そういった時代の変化に合わせたチャレンジをしていきたいと考えています。でも大切なのは、草木染めの文化や技術、語り継がれてきた学びという礎があってのこと。職人はずっと勉強です。その姿勢は変わらずに持ち続けていきたいですね。
今回の取材では、2月中旬に剪定され、いただいたソメイヨシノで桜染めをし、かすかにオレジがかった落ち着いた桜色が染まりました。でも、来年同じ季節、同じ素材で染めてもまた違う色になる。まさに草木染めの色は、一期一会なんです。職人として、これからも自然と向き合って、まだ見たことのない、いろんな色と出会っていけたらいいですね。
また、色の研究を重ねてデジタルアーカイブして、次世代に伝えることにもチャレンジしています。過去からの伝承は書物、しかも文字だけというものも少なくありません。その人がいなくなったり、やめたりしたら終わりではなく、新しい文化継承の形として貢献できたらと考えています。」

メディエイド しっかりガード 腰 アクティブ
今回使用したサポーター
メディエイド しっかりガード 腰 アクティブ
しっかりした固定力と動きやすさの両方を実現。硬さの異なる素材を最適配置、本体ベルトの丈を短くするなどの工夫で使いやすさを追求しました。
詳しく見る

Profile プロフィール

染色家 小室真以人

1983年 福岡で生まれ、東京で暮らす。
福岡県朝倉市秋月に越し、家業の草木染工房(工房夢細工)で草木染めに触れる。
東京藝術大学美術学部工芸科で染織を専攻。在学中伝統技法を学ぶ傍ら、革の草木染めなどの新しい技術表現を模索。2007年 ホールガーメントニットを導入と技法を習得。2008年 自身のニットブランド「MAITO」をスタート。2010年 株式会社マイトデザインワークス設立。同年、東京都台東区上野の2k540に直営店を出店。
2012年 東京都台東区蔵前にアトリエショップをオープン。